八朔のひな祭り
[ 05.関西, a.風景, z.その他, 著者:滝野沢優子]
もうすぐひな祭りですね。雪国など一部地方では一月遅れの4月3日に雛祭りをすることもありますが、兵庫県たつの市御津町室津(TM関西33A-1)では、なんと真夏の8月に行われます。
古くから天然の良好として知られ海上交通の要として栄えた室津では、旧暦の8月1日に雛祭りをする風習があり、八朔のひな祭り として親しまれていたそうです。その由来は以下。
「室津追考記」によると、永禄9年1月11日の室山城主浦上正宗の弟の宗景の結婚式の夜に、かねてより対立関係にあった龍野城主赤松政秀の急襲にあい、花嫁は奮戦むなしく討死し、正宗は自害しました。室津の人々はこの悲劇を悲しみ、非業の死を遂げた花嫁の鎮魂のため、3月3日ではなく半年遅れの八朔にひな祭りを延期したといいます。(「嶋屋友の会」のホームページより)
その風習も次第に忘れられ、戦後は普通に3月3日に雛祭りが行われていたのですが、町おこしを兼ねて独自の風習を残そうということで、2003年、実に60年ぶりに復活したとのことです。
この時期、集落の中の18軒の家が雛人形を飾ります。軒先に「八朔のひな祭り」と書かれた提灯を下げている家がそれで、外来者も自由に見学することができます。特に豪商「嶋屋」だった建物を利用した「室津海駅館」には見事な壇飾りが展示されています。お雛様と一緒に「新粉細工」が飾られていることもあります。これは米と も ち 米の粉を材料に、鯛や野菜、果物などを象ったもので、そのあとは近隣に配ったり、自分の家で砂糖醤油をつけて食べるそうです。
私は知らずに行ったのですが、けっこう観光客が来ていました。
ガイドブックなどであらかじめ情報を得てから出かけるのもいいですが、こんなふうに意外な発見ができるのも旅の楽しみですよね。

▲(左)民家の玄関先に飾られた石で作ったお雛様。提灯はお雛様を飾っていますよ、 というサイン
▲(右)八朔の雛祭りについての由来が書かれた看板

▲室津の郵便局に飾られていたお雛様。供えられているのが「新粉細工」。郵便局の若いお姉さんは 「八朔のひな祭り」についてはあまり知識がありませんでした。 60年ぶりに復活して4回目だから若い世代にはなじみがないようです




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