旅籠に泊まる
[ 04.中部・北陸, a.風景, d.道, h.泊まる, 著者:内田一成]
木曽といえば、「木曽路はすべて山の中である……」で始まる島崎藤村の『夜明け前』から、中山道の宿場のイメージが浮かんでくる。
木曽11宿と呼ばれた、木曽谷に点在する宿場町は、今でも往時の面影を残して、たくさんの観光客を集めている。
そんなかつての木曽路を彷彿させる奈良井宿の伊勢屋という旅籠に泊まった。
両側に昔ながらの建物が軒を連ねる旧街道は、地元の車以外は進入禁止となっていて、そぞろ歩きの観光客が道を埋めているが、 そこを宿泊客の特権としてバイクでズイズイと進んでいける。
明らかに他所から来たツーリングライダーとわかる風体で、「進入禁止のところにバイクで入って」 といったあからさまな非難の視線を投げつけられるけれど、「宿の前に駐車してください」 とお墨付きをもらってしまったのだから仕方ない(笑)。
宿場のほぼ中央に位置する伊勢屋は、とくに風情のある一角で、その前に堂々とGSを止めるのは、これまた、 記念写真のカメラを向ける観光客にたいへん申し訳ないと思うのだが、そこに止めるように指示されたのだからいたしかたない。
しかし、江戸時代から続く木造の建物の前に、最新テクノロジーの権化のようなGSアドベンチャーの取り合わせは、 これはこれでなかなかマッチしている。そんな風に思うのは、ぼくだけではないようで、じつはこの伊勢屋さん、 バイクや車の広告に幾度か登場している。
「古き良き日本を旅する」というコンセプトで展開したカワサキのゼファーの広告でも使われたので、記憶にある人もいるだろう。
古い宿場にバイクで乗り入れて、そのまま旅籠に泊まる……秋の静かな旅にお勧めのシーンですぞ。



























































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