5度目の正直!? 『南米一周』 前編
[ 99.海外, a.風景, e.峠, 著者:賀曽利隆]
「4度目の正直」で、「南米一周」に旅立ったのは1984年10月24日のことだった。じつはその前にも、かなり具体化した「南米一周計画」がポシャっているので、正確にいうと「5度目の正直」になる。
出発点はコロンビアのアンデス山麓の町、ペレイラ。そこにはスズキ・コロンビアの工場があって、日本から送り出したスズキDR250Sで走り出したのだ。ペレイラの町を離れていくときは期待以上に、「またこの町に戻ってこられるだろうか…」といった不安感に襲われるのだった。
ペレイラからはアンデスのコルジレラ・セントラル(中央山脈)とコルジレラ・オクシデンタル(西山脈)の間を流れるカウカ川の谷間に下り、その谷間を貫くパンアメリカン・ハイウエイを南下。エクアドルからペルーに入った。
ペルーの首都リマからはアンデスの標高4843メートルのチクリヨ峠を越え、アマゾン川の源流地帯へ。いくつもの峠を越えたが、4000メートル級の峠は真冬、アマゾンの谷間は猛烈な熱風が渦巻く真夏と、1日で四季を味わう峠越えを繰り返した。
インカ帝国の都クスコからは大湖としては世界最高所になるチチカカ湖畔を通り、ボリビアへ。世界最高所の首都ラパスからはアンデスの高地を南下し、一面、真っ白な塩原がつづくウユニ塩湖を越えてチリへ。太平洋岸のアタカマ砂漠を貫くパンアメリカンハイウエイを南下した。
チリの首都サンチャゴからさら南下し、オソルノの町でパンアメリカンハイウエイを離れ、アンデスのプジェウウェ峠を越えてアルゼンチンへ。スイスのリゾート地を思わせるようなバリローチェから「烈風のパタゴニア」に入っていった。猛烈な風に吹かれながらDRを走らせた。アンデスから吹き降ろす真横からの風に吹かれると、道路の右端を走っていてもあっというまに左端までもっていかれ、あやうく路肩を飛び出しそうになる。風が正面から吹きつけると、アクセルを目いっぱいに開いてもスーッとスピードが落ちてしまう。その反対に真後ろから吹かれると、まるで無風状態の中を走っているようで、それでいてアクセルから手を離しても60キロから70キロの速度をキープすることができた。パタゴニアの烈風というのはそれほどのものだった。
マゼラン海峡を渡ってフェゴ島へ。ビーグル海峡に面した世界最南の町ウシュワイアに到着したのは1985年1月9日。ペレイラから1万8104キロ。南緯55度の極南の世界は寒かった。夏の盛りだというのに、まわりの山々は冬景色同然で、雪化粧していた。
1、コロンビアを出発。一路、南へ。「南米一周」がはじまった!
2、ペルーの太平洋岸の砂漠地帯を行く。DRを停め、砂丘のてっぺんに登る
3、パタゴニアの国道40号を南下。猛烈な風が吹いている
4、アンデスの稜線から流れ下ってくる「モレノ氷河」。まさに氷の大河!
5、フェゴ島を南下。世界最南の町、ウシュワイアを目指す






























































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