「道祖神」の「カソリと走ろう!」シリーズ
[ 99.海外, f.出会い, 著者:賀曽利隆]
「南米・アンデス縦断」はバイクツアーに力を入れている東京の旅行社「道祖神」の「カソリと走ろう!」シリーズの第13弾目でした。出発点はペルーの首都のリマ。15台のバイクと2台のサポートカー、総勢20名の大部隊で走り出したのです。

(左)太平洋側の砂漠地帯を行く
(右)インディオの子供たち。アンデスの標高4300メートルの峠で
「ナスカの地上絵」で知られるナスカからアンデス山脈の4000メートル級の峠を越え、「インカの都」クスコへ。「空中都市」マチュピチュ遺跡を見たあと、世界最高所の大湖チチカカ湖畔を走り、ボリビアに入国。世界最高所の首都ラパスからアンデス高地を南下し、ウユニ塩湖のウユニからアタカマ高地を越えてチリに入国。そこはアタカマ砂漠。一木一草もない土漠が延々とつづきました。南回帰線上のアントファガスタから太平洋側を南下し、コピアポの町を過ぎるころから緑が見え始め、やっと大砂漠は尽きました。

(左)標高4000メートル前後のアンデス高地を行く
(右)アンデス高地のダートを激走!
チリの首都サンチャゴからさらに太平洋側を南下。南緯40度線を越えてパタゴニアに突入。オソルノの町からアンデス山脈のプジェウエ峠を越え、アルゼンチンに入国。南米屈指の観光地バリローチェからアンデス山脈沿いにさらに南下していきました。「烈風のパタゴニア」、「犬が空を飛ぶ」といわれるほどの風の強さですが、空を飛ぶ鳥は羽をパタパタさせるだけで、むなしくも押し戻されてしまいます。バイクで幅広のダート道の右端を走っていても、あっというまに左端まで飛ばされてしまいます。パタゴニアは「バイクが空を飛ぶ」ほどの風の強さでした。

(左)アンデスの雪山を眺める
(右)パタゴニアの「烈風注意」の標識
憧れのマゼラン海峡をフェリーで渡り、九州よりも大きなフェゴ島に上陸。世界最南の町ウシュワイアに到着すると海岸に立ち尽くし、ビーグル海峡を渡る冷たい風に吹かれるのでした。ウシュワイアからは3回に分けてみなさんにお伝えしたように、ただひたすらに地平線を目指して3000キロを走りつづけ、終着点のアルゼンチンの首都ブエノスアイレスに到着したのです。
「道祖神」の「カソリと走ろう!」シリーズは今から15年前の1993年に始まりました。それらは次のようなものです。
第1弾目 「エアーズロック」(1993年・ブリスベーン→アリススプリングス3739キロ)
第2弾目 「タクラマカン砂漠一周」(1994年・ウルムチ→ウルムチ3000キロ)
第3弾目 「モンゴル」(1997年・ウランバートル→ウランバートル2423キロ)
第4弾目 「チベット」(1999年・ラサ→カイラス往復2518キロ)
第5弾目 「サハリン縦断」(2000年・コルサコフ→コルサコフ1463キロ)
第6弾目 「キャニング」(2001年・ウィルナ→クヌヌラ2924キロ)
第7弾目 「ユーラシア横断」(2002年・ウラジオストック→マドリッド15970キロ)
第8弾目 「アラスカ縦断」(2003年・アンカレッジ→アンカレッジ2888キロ)
第9弾目 「南部アフリカ」(2003年~2004年・ウインドフック→ケープタウン3783キロ)
第10弾目「サハラ縦断」(2004年~2005年・チュニス→アクラ6763キロ)
第11弾目「韓国縦断」(2005年・釜山→釜山2974キロ)
第12弾目「シルクロード横断」(2006年・天津→イスタンブール13171キロ)
第13弾目「南米・アンデス縦断」(2007年~2008年・リマ→ブエノスアイレス12574キロ)
世界の六大陸を舞台にした、これら一連の「カソリと走ろう!」シリーズのバイクツアーができたのは、ひとえに「道祖神」の菊地優さんのおかげなのです。菊地さんに初めて出会ったのは今から30年以上も前のこと。菊地さんはまだ高校生でした。ぼくの書いた「アフリカ一周」の本、『アフリカよ』を読んだ菊地さんから電話をもらい、東京・秋葉原の喫茶店で会いました。そのときは友人の窪田誠さんも一緒でした。1杯のコーヒーでずいぶんと長い時間をかけ、ぼくは2人にアフリカの旅の話をしました。それから2年後、19歳になった菊地さんと窪田さんは世界へと旅立っていったのです。
その後、菊地さんは「道祖神」の社員になり、何度か会いました。
ぼくが40代の半ばになった頃、
「カソリさん、もうそろそろいいでしょう」
と、菊地さんにいわれたのです。その一言が「カソリと走ろう!」シリーズのバイクツアーをやるきっかけになりました。それまでは「バイクは1人で走るもの」と頑なカソリでした。これら一連のバイクツアーをやったことによって、ぼくはかけがえのない仲間を得ることができたのと同時に、仲間と一緒に走る楽しさ、おもしろさをも知ったのです。
「カソリと走ろう!」シリーズの第14弾目は、サハラ砂漠の「黄金の都トンブクツー」を目指す「目指せ、トンブクツー!」が予定されています。
























































































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