東北四端紀行 北端編(その3)
[ 02.東北, a.風景, b.温泉, d.道, g.林道・ダート, 著者:賀曽利隆]
東北のもうひとつの北端、津軽半島へ。出発点は青森駅前だ。
まずは青森港の岸壁にスズキDR-Z400Sを停め、青函連絡船として活躍した「八甲田丸」を見る。そのあと青森ベイブリッジを渡って国道280号の旧道で津軽半島に入っていった。
津軽半島でも下北半島と同じように温泉をめぐった。
第1湯目はよもぎ温泉(入浴料350円)。日帰り湯「よもぎ温泉」の湯に入る。
第2湯目は平舘不老不死温泉(入浴料400円)。大浴場の内風呂の湯につかる。ここはなつかしの温泉宿だ。泊まったこともあるし、函館から夜中のフェリーに乗って夜明けに青森港に到着すると、ここで朝湯に入り、朝食をつくってもらって津軽半島をまわったこともある。平舘不老不死温泉は津軽半島探訪のいい拠点になる。
平舘は見所豊富。松前街道(奥州街道&羽州街道のその先)の松並木を走り抜けたところには灯台がある。そのわきには大きな霧笛。平舘海峡の砂浜に立つと、対岸の下北半島の山々が大きく見える。平舘海水浴場の砂浜が広がり、海岸の松林内には江戸末期の海岸防備の台場が残っている。
平舘を過ぎるとじきに海は広がり、津軽海峡になる。ここでは3岬の「岬めぐり」。まずは弁天崎。岬の突端には赤い祠。弁天がまつられている。ここには、その昔、顔料として使われた赤根沢の赤岩がある。
次が高野崎。ここは「絶景岬」だ。
津軽海峡の対岸には北海道最南端の白神岬を望む。右手には本州最北端の大間崎、左手には津軽半島最北端の龍飛崎。これらの3岬を同時に見られるのは高野崎だけだ。岬の突端には赤白2色に塗り分けられた灯台が建ち、そこからは岩礁地帯に下り、潮騒橋、渚橋の赤い太鼓橋を渡って岩礁の先端まで行ける。岬はキャンプ場(テント1張500円)になっていて、無料の展望所内には食堂もある。
3番目は鋳釜崎。ここは立ち寄る人も少なく、東屋風休憩所ではゆったりした岬での時間を過ごせるし、津軽海峡の潮の香をかぎながら園地の草地で寝ころぶ気分は最高!
県道14号との分岐点あたりが今別だ。この県道14号は蟹田、青森方面への近道になっている。
今別から三厩まではバイパスで2車線の快走路。その途中には、津軽半島のツーリングのたびに入っていたつがる浜名温泉があるが、残念ながら平成14年9月9日に閉鎖…。三厩は心に残るところだ。
まずはJR津軽線の終着駅、三厩駅に行く。終着駅というのはそそられる…。
次に三厩港へ。ここが松前街道の終点。つまり奥州街道、羽州街道の終点でもある。陸路はここで尽き、海路で蝦夷へ。松前藩の城下町、松前へ。それが昔の交通路だった。
三厩港を見下ろす高台には義経をまつる義経寺がある。ここは「義経・弁慶」の北行伝説の地。義経・弁慶の主従は奥州・平泉の地で死んだのではなく、そのまま北へ、東北からさらに北海道へ逃げ落ちたという北行伝説がいまだに信じられ、伝わっている。
三厩からは津軽半島最長林道の増泊林道も走った。ダート17・5キロという本格派林道を途中まで走り、引き返した。
三厩を過ぎると、国道280号は国道339号に変る。国道の1本、山側にはアジサイロードがあるが、アジサイの花が満開だった。
こうして「本州の行き止まり」の龍飛に到着。龍飛漁港の道の行き止まり地点には、太宰治の『津軽』の文学碑が建っている。それには次のような一節が彫り刻まれている。
「ここは本州の袋小路だ。讀者も銘肌せよ。諸君が北に向かって歩いている時、その路をどこまでも、さかのぼり、さかのぼり行けば、必ずこの外ヶ濱街道に到り、路がいよいよ狭くなり、さらにさかのぼれば、すっぽりとこの鶏小屋に似た不思議な世界に落ち込み、そこに於いて諸君の路は全く尽きるのである」
ここからは高台上の龍飛崎へと、国道339号の階段国道(日本で唯一!)が通じている。
ぼくが初めて「日本一周」したのは30歳のときで、1978年だった。
そのときの「龍飛」は太宰治の『津軽』どおりの世界で、ここが行き止まりだった。
国道339号(竜泊ライン)小泊に抜けられるようになったのは、まだ最近のことなのである。





























































































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